だらけ日記過去ログ:2006年4月19日(水)「アニメ評価データベースさち。の懸念点」
ということで、終了番組評価調査を含め、次回で光希桃は担当から下りるわけですが、個人的に今後は、を使わせていただこうかと、こっそり思っておりまして、各所で話題に上った辺りから、ちょこちょこ見ていました。 評価法からシステムまで、終了番組評価調査とは違うので、いろいろと感じが違うのは当たり前なのですが、自分としては現状の「アニメ評価データベースさち。」(以下「さち。」)の評価収集、集計結果公開方法では、いまいちユーザーの使い勝手や見たいデータがうまくできていないような気がしてしまったり。 終了番組評価調査をしてきたことの経験もふまえ、気になったことをひとつずつ出してみますね。■評価データ収集■1.複数作品をまとめて表示、評価することができない。 多量見視点からまず気になったのはこれ。「さち。」では、「放送前」「放送中」「放送後」の3段階での評価を提出することができるのですが、TV番組というのは、放送開始時期や放送終了時期はだいたい同じなワケで、評価データを受け取る側は絶対評価で欲しいと思っていても、評価をする側はそこそこ相対評価になってしまうものです。 「あの作品が90点なら、こっちの作品は80点ぐらいだよなー」とかそういう考え方ね。 なので、「もうすぐ放映開始一覧」「放送中の作品一覧」「最近放送が終了した作品の一覧」が出せた上で、その一覧のまま評価やコメントが書けるシステムの方が激しく書きやすいです。2.作品単体の評価を集めるような形になっている。 って言ってることが1と同じですが、ちょっと書くアプローチが違うので、分けました。 上記の通り「さち。」では、作品ごとに評価を提出する形になっています。つまり、評価を出す側は、「評価を出したい作品を検索」して、「評価したい作品を表示」させて、「『この作品を評価する』ボタンを押し」て、「評価やコメントを記入」し、「『データの投稿』ボタンを押す」という流れが1作品ごとに必要になっています。結構遠い道のりです。 ということは、よほど評価を投稿したい作品以外は投稿する気がある程度削がれる ということになると思うのです。 評価を投稿したい、自分の評価を伝えたい作品とは何か…。そう、激しくイイと思っている終了番組評価調査で言うところの「殿堂入り」、そして激しく恨みに似た感情を持っている「駄作」の両極端のデータが、見た人全体の集計をした場合と比べて、より強く出てしまうと考えられるのです。 Amazonの商品レビューをはじめ、そういう単品評価のものは、やたらと高評価にかたよっていたり、かと思えば思いっきり低評価のものがあったりして、どうも一般的な意見を拾えていないような、極端なデータになっているような気がするのです。 終了番組評価調査では、参加する場合見終えた番組を半強制的にすべて評価していただくことになるというシステムになっていますが、このシステムのよさは「ふつう」や「おもろ」といった、積極的に評価をしたいと思えなかったであろう評価データまでうまくすくえていそうなところなのではないかと今さら思いました。 評価には「良い」「悪い」の他に、とりたてて何か言おうとも思わないけど、「ふつう」や「そこそこ面白かった」レベルのものがあり、それこそが積極的に拾いに行かないと拾えないデータであると思います。3.イベント性がない。 「さち。」は、「誰でも」「いつでも」評価を投稿することができるリアルタイム評価システムです。よって、「3ヶ月ごとのお祭り」といった雰囲気もなく、淡々と評価データが集まっていくことになります。 つまり、閲覧者側も見たいときに「いつでも」データを見ることができるシステムになっています。 「いつでも見ていい」というのは、逆に言うと、「いつ見に行っていいのかわからない」ということでもあります。区切りがないので、いつも「現時点での評価はこうなっています」という微妙にあやふやな、確定されていないデータを見ることになります。 ということはつまり、ブログや日記のネタにしにくい ということです。日記を書いている内にデータがどんどん変わってしまう可能性があるのですから。 自分的には3ヶ月ごとに評価収集強化月間でも作って、参加者を募るイベントを立ち上げつつ、期間を区切ったデータを集計発表することで、「データを提出するのが推奨される期間」「データを見に行くいいタイミング」を提示することが出来、閲覧者参加者共に増加させられると思うのです。4.点数を決めにくい。 Q&Aの方に評価基準について書いてありますが、100点満点での評価ということはつまり、101段階での評価です。ここまで細かいと、1点単位での点数自体に意味を見いだすのはなかなか難しいと思います。 データベースを作っていくという観点からすると、主観とはいえそれなりに共通の評価基準の意識を持っていないと、あまり意味のないデータになってしまうとも思います。 自分としては「20− 0点 見るだけ時間の無駄」という書き方だけでなく、「20− 0点 見るだけ時間の無駄(基準は10点)」と書いてあるだけでも、15点なら駄作でもまだいい方、5点ならかなり悪いとかそういう「意味」が出てくると思うのです。 あと、評価を入力するページにも、評価基準を記して、参加者の主観以上のブレをなるべく防ぐ方向にし、さらに言うと基準点をそのまま入れるような場合はキーボードを使わなくてもできるぐらいになっている方が親切設計かと思います。■集計データ公開■1.評価タイミングが結果発表ランキングに反映されない。 というか自分の考え的には、放送後の評価データ以外は評価として認めたくありません。各作品のページに行けば、内訳が書いてあるワケですが、それで満足するわけにも…。 期待度(放送前)、好感度(放送中)、評価(放送後)の総合があるのは別にいいと思うのですが、各個にまとめたランキングデータもまた必要であると思います。2.コメントの入った評価データ以外、細かい評価データ(点数)がわからない。 別口解析とかはちょっとやりにくいですよね。3.終了時期で検索が出来ない。 年号検索は制作年での検索になっている(というか公開年だよね?)けど、「一覧で見る」という用途を考えたときに、放送後の評価集計データを見たいなら放送終了時期、期待度を見たいなら放送開始時期、放送中の評価を見たいならある期間に放映していた作品のみが出せる…といった具合に、評価タイミングに合わせた検索ができないと、ちょっと使いづらいかな、と思います。 あと、この多量にアニメが放送されている時代では年号だけでなく、四半期(1クール)に分けられたデータも見たいと思ったり。4.TVシリーズ、OVA、映画が混ざっている。 自分的にはみんな土俵が違うと思うデス。データを採るのはいいけど、公開は分けて欲しいなぁ。あとタイトルだけの作品も多く、一見すると映画なのかTVシリーズなのかよくわからないものも結構ありますね。 あと細かいことをいうと、終了時期をどこにしていいのか微妙な作品も多いです。BSフジで続きがある蟲師とか、タイトル的には別に2nd seasonという断りもなく放送されたりもするサムライチャンプルーとか、いわゆるあのね商法とか。評価が一緒にできない作品はそこそこあるです。 眠くなってきたのでこの辺で。 結局システムもコンセプトも終了番組評価調査とは違うのだから、自分の思う形とは違っていて当然なのですが、現状だと自分はちょっと参加しにくいかな、と。 複数IDとか組織票とかの対策はどうなっているんだろうか…?