だらけ日記過去ログ:2010年3月15日(月)「アニメ視聴においてライブ感はそこまで重要か」
中身がわからないと買うことができない。 人は「よさそう」ぐらいでは買ってくれない。(「よさそう」で買ってくれるのはコミケ会場とかの特殊フィールドだけだ) 悠木さんところで以前、Wii・DSソフト おさがしガイドの話題を見て、アニメに関しても同じことが言えるのではないかと思った。売れるアニメは、シリーズもの、テレビ放送で人気があったものなど、「よいもの」である可能性が高いもの、「よいもの」とわかっているもの のどちらかであることが多い(気がする)。 これは、パッケージでは中身がさっぱりわからないからであり、それは前述のゲームと同様である。パッケージでパッと見「おもしろそう」に見えても、名前も聞いたことのない作品のDVDを買おうとは思えないワケで。シリーズもので、何巻も続くものや、BOXだったらなおさら、手を出すのはとても難しい。 パッケージを見てみると、未見の人に対するメッセージは何ひとつ書かれていないこともわかる。ゲームソフトならそれでも少しはゲーム自体の紹介があるのに、下手すりゃ一面キャラ絵で、文字が何も書かれていないパッケージすらある(マリみてのことかー)。中身なんて見なくてもわかってる人しか買えないような作り…今まではそれを当たり前と受け止めていたけど、おさがしガイドの話を目にして、「果たして本当にそれでいいのだろうか?」と思った。 自分はこれだけアニメを見てはいるけど、それでも知らないアニメはある。中古DVDショップで知らないアニメを見かけると、手にとってみるけど、パッケージからじゃたいした内容はわからない。下手すりゃジャンルすらわからない。いくら中古でもそれはさすがに買えない。それよりかは、TVで見てた見知ったアニメのDVDの方が欲しい。 アニメDVDもまた、ゲームソフトと同様に新作のみが回転し、旧作は不良在庫となりがちだと思われるが、果たしてそれが健全なんだろうかと。アニメだって、いつまでも売れ続ける良作があったっていいはずだし、いつまでも買える市場があるというのもなしではないと思うのだけど。新作のみを売り、新作売りの際にそれなりに人気があったものは、新作当時お金がなかった世代用にしばらく後でDVD-BOXを出すというよく見るシステム…果たして本当にそれだけでいいのだろうか。 多くの人に良作と認知させることができれば、いつまでも価値のあるコンテンツとして残すことができる。1度きりの狭いコミュニティ内での回収のみで終わらせてしまうのはどうにももったいない。 ガンダムやエヴァなんかは、長く稼いでいるように見えるけど、基本的には同じところから絞り取っていて、それほど「新規開拓」をしているようには見えないワケで。新規開拓は熱狂的なファンが勝手に広めているに過ぎなくて、オフィシャルからはそれほどアプローチがあるようには思えない感じ。 泣きたいのか、笑いたいのか、キュンとしたいのか、じっくり見たいのか、ささっと済ませたいのか、何度でも見たいのか…アニメに求めるものは人により気分により様々ではあるけれど、それをナビゲーションしてくれるものは、現状ではこれといって ない(見たことはない)。あったとしてもだいたい 新作限定 での番宣に近いナビゲートまでだと思う。 よく「(今)何がおもしろいの?」という質問をされることがあるけど、それはその人の好みでしかないはずだから、あまりちゃんと答えないことにしている。「何が話題なの?」ぐらいならある程度答えられますが。でもこれも少しおかしな話で、見る側が新作にこだわる意味って本当はないんだと思う。「流行」「先取り」を求めるのなら仕方のない部分もあるだろうけど、本来は「自分がまだ見ていない作品の中で、次に何を見るといいと思う?」ということでも構わないはずではないのだろうか。 今、テレビでやっている=タダで見られる という意味でもあるけど、タダで見られることは、そんなに譲れない条件なのだろうか。タダで見てそのままタダのままで終わる作品に出逢いたいと思っているわけではなかろうて。本当に好きな、大切な作品に出逢えたのなら、映像ソフトではないにせよ、何らかの形でその作品に対してお金を落としていくことになると思う。お金を落としたくなる自分にとっての良作に出逢うために、無数のタダでしかなく終わる作品と出逢うことは本当に有意義なことなのか、少し疑問に思う。現行の無償で見られる作品をむさぼるよりか、過去の良作を摂取する方がよほど有意義な時間の過ごし方となる可能性はとても大きいと思う。 でも、前述の通り、過去の作品の中から「自分にとって必要な作品」を探すことは難しいし、運よく見つけられたとしても、それを見る方法が現時点であるとは限らないし、「過去を振り返る仕様」になっているDVD-BOXなんかでは、新鮮な気持ちで見られるような作りにはなっていないかも知れない。つか、いくら見た方がいいと思われる作品であったとしても、未見のものをいきなり買えるほど、DVD-BOXは安くない。運よく素敵なな出逢いができたとしても、映像ソフトを見る以外の還元やファン活動が果たしてできるだろうかというのもある。 「過去」は「過去」、当時新作だった頃に見なかった人はもう顧客になることはない…というのは何かいろいろともったいない気がするけど、何かうまいことできないものなのかねぇ。それとも「過去」は「過去」にしておきたいのだろうか。常に新作で稼ぐ仕組み=旧作に金が流れず、新作に対してのみ金が流れる=現役のみ稼げる…という仕掛け? ローコストで新作アニメを作り続けるスパイラルにしておかないと、現状でも供給過多なのに、旧作にパイを取られてしまうことになると、職にあぶれてしまう人が多いってことなのかしら…。それとも、効率よく稼ぐこととかよりも、作りたい気持ちをなにより優先してるってことなのかしら。 こういうアニメ業界的な話を書くと、だいたいは「クリエイターだから」という結論に落ち着いてしまう気がする…。 自分の好きそうなものを全部見ちゃった人にとっては新作は必要だけども、見てない人にとっては新作も旧作も同様に「未見のもの」として扱えると思うんだけどなぁ。別に新作を送り出し続ける業界につき合うことはないと…は思いきれないか。 ----- 今日はやたら待ち時間が長くて、おかげでやっと書き上がりました。実は先月からポメラに書きかけ状態だったのです。いつ呼ばれるかわからないと、耳をふさげないので、ポメラ書きは実にちょうどよい。ケロロ感想も書けたし。 ここまで書いて思い出したけど、ママレ補完計画を始めたときに大事にしたのはその「ライブ感」だったなぁ。放送はしてないけど放送があるフリをして感想書こうぜ!みたいな。ネット人口が増えて、ディープなファンがついている作品も多々ある現在であれば、他の作品での補完計画的な企画は成功できるのかも知れないな。自分はどういうところが悪かったんだろうかねぇ…求心力?