多量見さんはどんなアニメでも大抵楽しむことができます。それは、各々のアニメに対して素の状態で当たらず、自分の感情をそのアニメが楽しめる形に変えてから当たるからです。
この「自分の感情を変える」行為に対する表現に、かつては「スイッチ」という言葉を使っていました。
「萌えスイッチ」「作画スイッチ」「声スイッチ」etc...これらをパチパチとON/OFFすることで、各々のアニメに対応している…と。だがそれは、いまいち正確ではなかった。こいつらは決してON/OFFしかないデジタルな「スイッチ」などではなく、「ゲージ」や「スロットル」といった段階的な状態を持てるもので、さらにプラスだけでなくマイナスまであるものであると思われるワケです。
というわけで、ちょいと適当に作ってみた↓
こんな感じの脳内ゲージを使って、各要素に対して自分の感情の込め具合(期待値)を調整することにより、期待できないところはハナから期待せずに、期待できるところはテンション上げて待機することにより、上の図のような完全無関心状態にならない限り、何らかの楽しみがある状態かつ、ダメなところにはどこまでも寛容な状態―つまり「楽しみ」しか表面化していない状態―に自分を置くことができるわけですよ。
そして、このゲージ絵をいっぱい作るとなるとペイントソフトでひとつひとつ作るのは面倒そうなのでJavaScriptで汎用化。(簡単に書いてますが、結構面倒でした…)
とりあえず画像のやつと同じゲージ構成で使ってみるの図。各要素は作品によって増減するというか、テンション0で変動予定のないところはゲージがないのと同じですな。JavaScript的には要素数はどこまでも増やせるけど、1024×768環境では14要素ぐらいが限界だ。つまみにカーソルを合わせると大抵のブラウザではツールチップが出ます。
で、このゲージ、同じ作品なら変動がないかと言えばそんなことはなく、回によって、状況によって、展開によって、時々刻々と変化させていき、作品の状態に合わせていきます。例えば 恋姫†無双 の主な要素にて、曹操が出る回とそうでない回を比べてみると、
まず通常時。デフォでエロいのでエロネタに多少の期待があります。バカな仮面の人もいるのでおバカネタにも期待…。
曹操さんの出る回なら期待値がさらにエロ方面に補正されます。期待しすぎて他は下がり気味。
このようにテンションゲージを調整して、作品の状態と自分のテンションを合わせることにより、作品を楽しむ方向に持っていくワケです。
時にはゲージの要素をさらに細分化して臨む場合もあります。
ただのお気に入り度な気も…。
そして、マイナス方向に期待を寄せて見る場合もあります。悪い言い方をすれば「嘲笑」なので、あまりマイナス値では持っていたくはないですが、マイナス方向で見ていると数倍楽しめてしまう、ということもあります。
※注)光希桃はぴちぴちピッチは大好きです。
ちょっと古いので思い出しながらですが、こんな姿勢で見ていた気。テンションゲージをこういう形にしたときのぴちぴちピッチの破壊力はもの凄いものがあります(総合テンションがMAXになるぐらいに)。また、このおもしろさがテンションゲージをコントロールしたことにより生まれたと思えることで、ある意味(テンションゲージのチューンに成功した)達成感があって、それは普通にプラス側テンションで維持できるような普通の良作では味わえないものです。
このぴちぴちピッチの例はテンションゲージのコントロールの例としてわかりやすそうなので、このままもう少し広げます。
新番組として出会う際は、もちろん内容についてほとんど知らないので、上記のようなテンションゲージは用意できません。
こんなもんですかね。可もなく不可もなくの状態で待機。このあと実際見ながら、ゲージをコントールしていきます。「あまりマイナス値では持っていたくはない」し、マイナス側に振ると普通の(プラス側の)楽しみ方がしにくくなるので、マイナス側に振るのは結構勇気が要ります。
そうなると、期待できない要素をマイナス値にしないでコントロールする、つまりテンション0の無関心状態にするということに。すると、
こうなる。テンション0は無関心 ― よくても悪くても感情を動かさない ― ので、上のようなテンションゲージでは、歌とラブコメシーン以外はただ流れているだけ状態になってしまいます。全体的にテンションを下げて、何も期待しない状態にしているので、期待している部分についても連動してちょっと下げた状態になってしまいます。いわゆる「見るところがない眠いアニメ」状態ですね。
そこを思い切ってマイナス値までシフトダウンして、最初の図にまですることにより、どんなシーンでも見るところのある、しかも破壊力抜群なアニメが(自分の中に)誕生するワケです。まぁぴちぴちピッチはだいぶわかりやすいですが。
このように、
1.各要素のプラス・マイナス・無関心のコントロール
2.各作品における特化した新要素(ゲージ)の追加
といったことを視聴しながらほぼ無意識で行うことによって、「どうにかして作品を楽しんでやろう」という姿勢が、多量見をするにあたっての重要なスキルになるのではないかと。
特に重要だと思うのが「無関心」と「マイナス」を使うこと。わかりやすい例でいえば、“「図書館戦争」で、「何でそんな状況になって、さらに放っておかれてるんだ」という疑問に対して「無関心」を貫いて、「それは気にしない」状態にしておく”という感じ。「そこ気にしてたらつまらないでしょ」というのを表面的な言葉だけでなくきちんと自分の感情にも反映させる、それがテンション0の「無関心」。マイナスの話はピッチでしたからいいか…。
この辺のことをしないと、
●どうでもいいことが引っかかって作品自体楽しめなくなる
●ダメなところがダメなのが本気で嫌と思ってしまい、際立つダメさに耐えられなくなる
というのに陥りやすくなる…と思う。
で、「そんな気にせんでも…」や「そんなに怒らずにそれを楽しんでもいいんじゃない?」という言葉がこぼれたりするのです。
できるようになってくると、できたときの達成感もあって、このテンションゲージコントロール自体がおもしろくなって、世間で評価が低い作品を聞くと、逆にそこに挑戦したくなったりしてしまうようになったり。「上手いことコントロールすれば楽しめるんじゃね?」みたいな。まぁ無難に声とか萌えとかに落としてしまうことも多いですが…(そこに落とせば大概のものはそれなりに楽しめるようになりますが、自分としては不正解としたいコントローラー状態)。
もちろんコントロールに失敗して、盛り上がっている人を尻目に、自分は着いていけない状態になってることとかも結構あります。だいたいは安易にマイナスを使ったとき、その次にマイナスを使うのを拒みすぎたとき。いっぺんマイナスを使うと戻せなくなることもあるので、プラス方向の盛り上がりに着いていけなくなる。出遅れたマイナスは出遅れすぎるとどっちつかずの中途半端状態になって失敗する。初っ端からマイナスが正解すぎるGUN道-MUSASHI-なんかはいいけど(でもどの要素までマイナス値にしていいのか悩んだ)、クラスターエッジあたりになるとどの辺でマイナスシフトしていいのか難しいところではあった気。
無難に落として失敗した記憶があるのは「ケロケロちゃいむ」かなー、再放送で違う見方を開眼した。世間で怒号が飛び交う中、自分はテンション高めで突き抜けられた記憶があるのは「宇宙のステルヴィア」、もうどんな見方だったか忘れたけど(ぇー)、何かを「掴んだ」という記憶はある。(記録もある)
なんかうまくまとまらないけど(つながらないけど)、書こうと思っていた内容は書いた気がするのでここらで終わる。
テンションゲージコントロラーのJavaScriptは配布用の書式になってないけど、持って行ける方(JavaScriptがある程度使える方)はHTMLのソースからご自由にお持ち帰り下さい。JavaScriptに使っている画像素材も同様。だいぶ強引に成形してますんで、作り替えももちろん可。
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