だらけ日記過去ログ:2004年6月25日(金)「多量見かいせき1:後化けと多量見」
正直あんまり面白くないなぁと思いつつも見続けて見まくってしまうアニメ多量見さんと、前半あんまりよろしくなかったけど、後半または中盤で信じられない盛り上がりを見せてしまうアニメ作品には、密接な関係があるのではないかと思ったりします。 とりあえずこの「前半あんまりよろしくなかったけど、後半や中盤で激しく面白くなってしまう作品」を、「後化け」と呼ぶことにします。後化け作品とはつまり、「こんなにつまらないのに、誰が見ているのだろう? ひょっとして自分だけしか見ていないのではないだろうか?」そんな風にしか思えなかった作品を、ある日いつものように見ていたら…、 ムチャクチャ笑ってしまいました。 死ぬほど感動してしまいました。 有り得ないほどにトキメイテしまいました。 一緒になって叫んでしまうほどでした。なんて事件が起こってしまう、そんな作品のことです。 おもしろそうな作品がおもしろいのは当然とした場合(実際はそう簡単じゃないのだが)、このおもしろくなさそうな作品がおもしろくなった(化けた)ときの感覚は…、いわゆる「ひょうたんからコマ」「棚からボタモチ」という感覚とともに、ひょっとして自分だけしか見ていないのではないだろうか? というもともとあった感覚から来る、「感動ひとりじめ感」があります。おもしろそうと思ったものが期待通りにおもしろかっただけでは味わえない、代え難い感覚が。「あの時切らなくてよかった…。心底そう思うよ…」「あの苦汁の日々は無駄じゃなかった…」「見てなかった者どもよ、後悔するがいい!」 過去、切らずに見続けて後悔した作品たちのことなど忘れて余りある喜びと感動を味わってしまう ― そんな経験を繰り返している内に― その感覚は、癖になってしまうのです。「もしかしたら、これから化けるかも知れないじゃないかッ!」「ここを耐えれば、きっとすごい未来が待っているんだッ!」「今はこうだけど、いつか、きっと…」「こんなものがおもしろくなるわけがない…と思わせるところにこそ狙い…演出意図があるように思える」 そんな風に何を見ても、そこにあるかも知れないかつてない「可能性」を疑いきれない、早々に切ってそのチャンスを逃してしまう自分が許せない……その強迫観念にも似た感覚により、例え「あんまり面白くないなァ」と思えたとしても、切れなくなるのです。 私だって昔から多量見だったワケじゃないんですよ! たぶん。 あぁそうそう、この論だと「なら、つまらなそうなものだけ見ていればいいじゃん」と思われるかも知れませんが、毎日毎日つまらないものだけを見続けるのがどれだけつらいと思いますか? 少しは普通におもしろいものを見ていないとおかしくなってしまいます。 最後に、自分の記憶にある後化け作品たちをいくつか並べてみませう。●ナースエンジェルりりかSOS うちの看板になっている↑アレです。開始当初はただの美少女戦士セーラームーンの二番煎じだと思われていたりと、普通の展開に思えたのですが…。有名な花梨チョコの話もいいけど、ラストの盛り上がりも忘れてはいけません。●怪盗セイント・テール 恋愛話が前面にプッシュされてきたあたりから盛り上がり気分でしたが…その後すぐ終わっちゃってなァ。●デジモンアドベンチャー 無印シリーズ。TVシリーズ先行の映画の出来等から化けはある程度予想できたのかも知れませんが…前半のダラダラの苦汁を超えての東京編の感動は今でも忘れない。●発明BOYカニパン 超じゃない、まんじゅう顔の方。「ダメじゃん」「C級〜」「もっと頭つかいなさいよ」のコンボには死ぬほどバカ笑いした。まぁ後化けというよかは中途化けですが…。 意外と、少ないかも。あと最近のものだと「キョロちゃん」とか「GUNGRAVE」とかもそうかな。上のほど破壊力ないけど。 リストが意外と少なかったことからもわかるように、多量見をこれだけで語るには無理がありますね。てなわけで、つづくかも。他の切り口もありますし。上にミンキーモモやママレード・ボーイが入ってないのがそのヒントになるかも。
何だか広まってますねぇ…。軽い話のつもりだったのだけれど。だいたい似たようなコメントを書いてしまいそうなのでリンクのみで。
後化け作品の話、興味深く読ませていただきました。 私的には初期数話の迷走とヤシガニ級の作画崩壊で続々と脱落者が出る中、20話・25話を見た瞬間、落涙しながら「勝った!!」と思った「アキハバラ電脳組」、全52話を通したエピソードの積み重ねで、4クール目以降「来週はどうなるんだろう?」と毎回非常に期待させられた「満月をさがして」、脚本を中心に非常に丁寧に作られ、笑い・涙・感動(そして萌え)と全部入りだった「ボンバーマンジェッターズ」あたりを推したいですね。 安易に色気に走るマニア層向けよりもキッズ対象の長期作品の方が心に残るものが多いような気がします。(あと、比較的スポンサー色が薄いってのも共通しているかも←CMなしのCSで見ている所為かも知れませんが)