自走油圧駆動装置

| 動 作 時 の 映  像 |

1.油圧駆動装置の概要

港湾、河川、漁港の陸閘(引戸式防潮扉)は人力開閉が多く、高齢化社会や津波発生の緊急時対応で既設門扉の自動化が急務である。当社は既設ゲートに駆動ユニットを追加するだけで開閉可能なシステムとして、駆動源には商用交流電源(100V)を主とし、緊急時バッテリー(12V)を補助電源とする
油圧駆動システムを採用し
、従来の自動化で採用されている電動式、ガス蓄圧式、空気圧式と比較して、設備面での費用低減と、景観についての拝領から油圧駆動ユニットを製品化しました。
 
油圧駆動装置は、防潮堤上に設置された油圧発生装置(油圧ポンプ)から給電装置(ケーブルベア)内の油圧ホースを経由し、門扉メインローラに取付られた油圧モータに油圧を供給し門扉を自走開閉させるシステムです。
 
また、将来の遠隔操作による自動運転も見据え、安全対策として挟まれ防止センサーまた、回転灯とスピーカーにより作動中は音と光で周囲に警戒を促します。

実規模実験機 全体配置

2.油圧駆動のメリット

1)地震等によりライフラインが断絶した状態でも、バッテリー電源(12V)を駆動源とし、門扉
  を確実に閉鎖することができます。(制御操作盤についてもバッテリー電源にてバックアップする)
2)駆動システムが、故障等により機能しない場合、手動開閉操作への切替が不要です。
3)防潮堤上に設置される各ユニットが少ない為、景観阻害が少ない。
4)将来の遠制制御を見据え、商用電源100Vを主電源としています。

3.油圧駆動装置−実規模実験機の仕様・諸元

門扉仕様
  • 扉体寸法:(W)4,300mm×(H)1,550mm
  • 有効幅:4,000mm
  • 移動量:4,200mm St.
  • 重 量:650kg
A.走行装置 C.蓄圧タンクユニット
駆動形式 自走駆動方式
動力伝達方式 油圧モータ・チェーン方式
装備数量 油圧モータ (前後各1基)
動力源 油圧(作動油)
発生推力 2.0kN  (15rpm/53N・m)
必要油圧 7Mpa 2L/min以上(1基当り)
形式 ギアポンプ
電源 DC 12V (0.75Kw)
発生油圧 7.5MPa
発生流量 4.2L/min


走行、昇降駆動ユニット



バルブ・レギュレータ
B.昇降装置
D.操作・制御盤
駆動形式 油圧シリンダ方式
動力伝達方式 リンク駆動方式(上昇端保持)
装備数量 小型油圧シリンダ (前後各1基)
動力源 油圧(作動油)
形状 φ50 × 75st
形式 屋外自立型
電源 AC単相100V ( DC12v変圧)
制御方式 シーケンス制御
停電時バックアップ DC12Vバッテリー内蔵


操作・制御盤

4. 油圧駆動装置の実規模実験機運転の状況・性能



@門扉の走行


A門扉の下降
油圧駆動装置は自動運転が可能になっており、下記の一連の作動は操作・制御盤のボタン1つで完了します。
@ 門扉の走行 (移動量:4,200mm/走行速度:8m/min → 31 sec)
A 門扉の下降 (移動量:20mm → 14 sec) 走行・昇降共、流量調整にて変更可能 
B 油圧ポンプモータ作動限界時間 ( 4分 30秒 )
C バッテリーによる動作試験 ( バッテリーフル充電時 : 2往復可能)

5.安全対策

  • 門扉先端には挟まれセンサーを備え、万一の際には直ちに装置が停止します。
  • 回転灯付スピーカーにより周囲に警告します


挟まれ防止センサー


回転灯付スピーカー